すみまよ日記

日々感じたことや読んだ本の感想など

何かを評価するとき、別のことを貶める必要はない

静岡県の川勝知事が1日に行った新人職員への訓示で、「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりする人と違って、皆さんは知性が高い」という職業差別ともとられかねないような発言をした件。

 

後日この発言は撤回されたらしいが、このニュースを聞いて思い出したのが、あるモデルによるエッセイだった。

 

エッセイには彼女の二人の息子によるインタビューが掲載されており、彼らが「同級生の母親を見ていたら、自分の母親が一番だと思う」と語っている箇所がある。

 

ここを読んで、自分の母親を誇りに思う気持ちを表現するのに、同級生の母親を引き合いに出す必要がどこにあるのかと不快になった。

 

何かを評価したり誰かを褒めたりするとき、こうして別のことや他の人たちを引き合いに出して貶めるやり方が私は苦手だ。

 

知事は当初「職種の違いを説明しただけ」とか、発言が批判されたのは「切り取り報道のせいだ」とかおっしゃっていた記憶があるので、訓示の全文を読んでみた。

 

news.yahoo.co.jp

 

実は静岡県というのを県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいは物を作ったりとか、ということと違って、基本的に皆様方は頭脳、知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。それは磨き方、いろいろあります。知性を磨くということ。

 

ここから「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりする人と違って」の問題発言を省くと、こうなる。

 

実は静岡県というのを県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。基本的に皆様方は頭脳、知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。それは磨き方、いろいろあります。知性を磨くということ。

 

これでも十分おっしゃりたいことは伝わるし、「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりする人と違って」の部分は不要だと思う。