すみまよ日記

日々感じたことや読んだ本の感想など

タンザニアのビジネスマンの生活が、日本にいると知らないことばかりでおもしろかった

タイトルは小川さやかさんの『チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学』を読んだ感想。一言で終わってしまった。

 

 

チェコ好き(和田真里奈)さんの『女の人生をナナメから考えるブックガイド』という連載の記事を読んで、面白そうだから読んでみたいと思った。

 

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本を読んでいくと驚くのが、「誰も信用しないから信用できる」というような、雑然としたシステムである。チョンキンマンションで信用するのは「人」ではなく、「状態」だ。たとえば同じ人間でも、お金に余裕があるときは信用できるし、ちょっと困っていそうなときは危ないかもしれない。常に信用できる善人も、常に信用できない悪人も、そこにはいないのである。貸した金は、状態が良くなれば返ってくるかもしれないし、良くならなければ返ってこないかもしれない。誰もが置かれた状況によって豹変する可能性を内包しているため、他者に対して「彼は【今は】いいやつだ」という評価しかしない。日本の文化にどっぷり浸かっている身としてはなかなか理解しづらい感覚だが、小川さんはそんな彼らの暮らしに「ゆとりがある」という感想を抱くのだ。

 

へぇ、これがどうして「ゆとり」につながるの?と思って読んでみた。

けれど、いまいち理解できないまま読み終えてしまった。

本書のおもしろさは、チェコ好き(和田真里奈)さんの書評に、すべて書かれている。

こんなに「読んでみたい」と思わせる書評が書けるなんて本当にすごい。